3Dプリンターで強い実用パーツを設計するコツ|積層方向と肉厚

カテゴリ:3Dプリンター関連

FDM方式の3Dプリント品は、射出成形(一般的なプラスチック製品)とは異なり、構造的な異方性(方向によって強度が違う性質)を持っています。

3Dプリンター(FDM方式)でDIY用フックや工具ホルダー、構造パーツを自作した際、「負荷をかけたらあっさり割れてしまった」「ネジを締めたらひびが入った」という失敗はありませんか?

FDM方式の3Dプリント品は、射出成形(一般的なプラスチック製品)とは異なり、構造的な異方性(方向によって強度が違う性質)を持っています。

この記事では、3DCADで設計する段階から意識すべき「割れにくく頑丈なパーツを作るための5つの設計コツ」を分かりやすく解説します。

コツ1:最重要!「積層方向」に対して垂直に負荷がかかるように配置する

3Dプリント品は、層と層を熱で貼り合わせているため、「積層面(層と層の境界)」を引っ張る力に対して最も脆いという弱点があります。

強度の違い

💡 設計・配置のテクニック

フックやL字ブラケットを作る場合、ベッドに平らに置くか立てて置くかで強度が何倍も変わります。力がかかる方向に対して「樹脂のラインが縦断するように」パーツの印刷方向(スライス時の配置)を決定してから3DCADで設計しましょう。

コツ2:内角に「R(フィレット)」を付けて応力集中を防ぐ

直角(90度)の内側の角は、負荷がかかった時に「応力集中(力が一点に集中すること)」が起き、そこからパキッと亀裂が入ります。

改善方法

コツ3:ビス・ネジ固定穴の「肉厚」と「座繰り(面取り)」設計

ネジやボルトで留めるパーツは、締め付けトルクによって穴の周囲から割り裂けることがよくあります。

ネジ穴設計の黄金ルール

  1. 穴の周囲の肉厚(Boss厚)をしっかり取る:
  1. 皿ビス(Countersunk)を使う時は「面取り」をCAD側で作る:
  1. インサートナット(熱圧入ナット)の活用:

コツ4:中空パーツは「シェル(壁厚)」を最優先で増やす

パーツの強度を上げたい時、インフィル密度(充填率)を上げるのは効率的ではありません。

衝撃・曲げ強度の秘密

コツ5:横荷重がかかる突起(ピン)は「別パーツ化」して差し込む

本体から垂直に突き出た小さなピンや柱は、印刷時にどうしても積層面が弱くなり、少し横から押すだけで折れてしまいます。

解決策:分割設計(ジョイント)

まとめ:頑丈なパーツを作るためのチェクリスト

  1. 力のかかる方向と「積層方向」を合わせているか?
  2. 角という角に「フィレット(R)」を入れたか?
  3. ネジ穴の周りの壁厚は十分か?(3mm以上)
  4. 壁(シェル)の枚数を増やしてスライスしているか?
  5. 折れやすい細い突起は分割設計にできないか?

この5つのコツを意識して3DCADを触るようになれば、ホームセンターで売っている既製品と同等以上の頑丈なDIYパーツが作れるようになりますよ!

作業前に確認したいこと

温度・速度・寸法などの設定値は、機種、ノズル、フィラメント、使用環境で変わります。メーカーの取扱説明書とフィラメントの指定を優先し、変更は一度に一つずつ行って端材で確認してください。高温部・可動部・電装部に触れる作業は、必要に応じて電源を切り、十分に冷ましてから行います。

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