【はんだごて】道具の選び方と失敗しないはんだ付け手順|イモハンダ対策
電子部品や配線同士を電気的にしっかり接合する基本テクニック「はんだ付け」。「玉のようになって弾かれてしまう(イモハンダ)」「隣のピンとくっついてしまった(ブリッジ)」「基板のパターンが熱で剥がれてしまった…」と苦手意識を持っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、失敗しないはんだごて&道具の選び方から、美しいハンダ付けを作る4つのステップ、失敗した時の修正方法まで分かりやすく解説します!
1. 道具選びで勝負が決まる!おすすめツール一覧
はんだ付けの成否の8割は道具選びで決まります。特に「温度調整機能付き」のはんだごてを使うと世界が変わります。
| 道具名 | おすすめ仕様 | 役割・選ぶ理由 |
|---|---|---|
| ① はんだごて | 温度調整付き (PX-201や白光FX-600) | 【超重要】 設定温度(350℃付近)を自動維持。熱不足や加熱しすぎを防止。 |
| ② 糸はんだ | ヤニ入り・鉛入り(または鉛フリー 0.8mm径) | 初心者は融点が低い「鉛入り(60/40)」が最も付けやすい(※RoHS考慮なら鉛フリー)。 |
| ③ フラックス (Flux) | ペーストまたは液体フラックス | 【失敗防止の必需品】 金属表面の酸化膜を除去し、ハンダのノリを劇的に良くする。 |
| ④ はんだ吸取線 | 幅 2.0mm ~ 2.5mm | つけすぎたハンダやブリッジを吸い取る修正用リボン。 |
| ⑤ こて台 & クリーナー | 耐熱こて台 + 金たわし(耐熱金属クリーナー) | 水スポンジよりコテ先の温度が下がらない金属クリーナーがおすすめ。 |
2. 失敗しないはんだ付けの4ステップ(富士山型を目指す)
良いハンダ付けの形は、裾野が綺麗に広がった「富士山(フィレット)型」です。
【 イモハンダ (失敗) 】 【 綺麗なハンダ付け (富士山型) 】
● (丸い玉) /\ (美しい傾斜)
┌──┴──┐ ┌──/ \──┐
─────┴─────┴───── ─────┴── ──┴───── (基板銅箔)
【手順】基本の「温めて・流して・引く」
Step 1: こて先を当てる ➔ Step 2: 糸はんだを供給 ➔ Step 3: はんだを離す ➔ Step 4: こてを素早く引く
(ランドと足両方) (こて先ではなく基板側) (はんだだけ先に離す) (斜め上へ引き抜く)
- 予熱(約2秒):コテ先を「部品の足」と「基板のランド(金属部)」の両方に同時に接触させて温めます。
- はんだ供給(約1秒):コテ先ではなく、温まったランドと足の境界部分に糸はんだを当てて溶かし流し込みます。
- はんだを離す:必要量流れたら、先に糸はんだを離します(コテは当てたまま)。
- コテを引く(約1秒後):はんだが濡れ広がったら、コテを斜め上方向にスッと引き抜きます。
3. よくある3大失敗と簡単な修正テクニック
失敗1:イモハンダ(玉になって基板にくっついていない)
- 原因:加熱不足、または金属表面の酸化。
- 修正法:ランド上にフラックスを1滴塗り、再度コテ先を2秒当てて温め直すと、スーッと綺麗な富士山型に広がります。
失敗2:ブリッジ(隣のピン同士がハンダでつながった)
- 原因:はんだの盛りすぎ。
- 修正法:はんだ吸取線 をブリッジの上に載せ、上からコテ先で押さえると、余分なハンダが吸取線に吸い取られます。
失敗3:パターン剥離(基板の銅箔が剥がれた)
- 原因:温度が高すぎる、またはコテを10秒以上当て続けた。
- 修正法:剥がれた場所の緑のソルダーレジスト(塗料)をカッターで削り、銅線をハンダ付けしてバイパス配線します。
4. 安全対策と後片付け
- 換気を良くする:はんだ付け時の煙(フラックスの蒸気)は直接吸い込まないようファンや換気扇を回します。
- 作業後のコテ先お手入れ:コテを抜く直前に少量のはんだをコテ先に盛って(はんだめっき)から電源を切ると、コテ先の酸化を防いで長持ちします。
5. まとめ
- 初心者は「温調はんだごて」と「液体フラックス」を用意すれば失敗が8割減る!
- 「コテを当てる ➔ はんだを流す ➔ はんだを離す ➔ コテを引く」の順序を守る!
- ミスしたら「フラックスを塗って温め直す」か「吸取線で吸う」!
道具と手順さえマスターすれば、だれでも綺麗なハンダ付けができるようになります!
安全上の注意
- こて先・部品・はんだは高温になります。耐熱台を使い、作業中に置き場所を変えません。
- フラックスの煙は吸い込まず、換気・局所排気を行います。作業後は手を洗います。
- はんだ、基板、部品ごとに推奨温度・加熱時間が異なります。固定値で判断せず、使用する材料と工具の説明書に従います。
- 通電中の回路へはんだ付けせず、家庭用AC電源の修理は扱いません。
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