3Dプリント品の後処理|サンディング・塗装をきれいに仕上げる基本
FDM方式の3Dプリンターで作った作品の表面には、どうしても特有の線状の筋「積層痕(せきそうこん)」が残ってしまいます。
FDM方式の3Dプリンターで作った作品の表面には、どうしても特有の線状の筋「積層痕(せきそうこん)」が残ってしまいます。
ディスプレイ用フィギュアや自作ガジェットのケースなど、「市販品のように表面をツルツルに仕上げたい」「綺麗なカラーで塗装したい」という場面がありますよね。
この記事では、3Dプリント品(PLA/PETG/ABS)の積層痕を消し、綺麗に塗装して仕上げるまでの完全ステップを解説します。
1. 表面仕上げに必要な道具と材料
3Dプリント品の後処理は、プラモデルの研磨と少しやり方が異なります。以下のツールを準備しましょう。
- 耐水ペーパー(サンディングペーパー): #240, #400, #800, #1000 の番手
- プラサフ(プラスチック用サーフェイサー): 傷や凹凸を埋めるためのスプレー下地剤
- ラッカーパテ / 薄付けパテ: 深い積層痕や気泡を埋めるパテ
- 防塵マスク + 作業用手袋: 削り節の粉塵を吸い込まないための保護具
- アセトン(ABS素材のみ): アセトン蒸気処理を行う場合に用意
2. 積層痕を消す!研磨・後処理の4ステップ
ステップ1:粗削り(#240 〜 #400 耐水ペーパー)
まずは大きめの段差やサポート材の痕を削り落とします。
- 水研ぎ(みずとぎ)を行う:
- 紙ヤスリに水をつけて研磨します。摩擦熱でPLAなどの樹脂が溶けて目詰まりするのを防ぎ、粉塵の飛び散りも防止できます。
- 研磨のコツ:
- 積層の筋に対して「斜め45度」の方向でヤスリを動かすと、筋の山が効率よく削れます。
ステップ2:パテ埋め(深い隙間や気泡の補修)
目立つ傷や深い積層痕にはパテを使います。
- 作業: ラッカーパテやポリエステルパテをヘラで凹みに塗り込みます。
- 乾いたら再び #400 の耐水ペーパー で表面が平らになるまで研磨します。
ステップ3:サーフェイサー(プラサフ)の吹き付け
表面の微細なキズを埋め、塗装の発色を良くするための下地スプレーを吹き付けます。
- パーツから約20〜30cm離し、薄く2〜3回に分けてスプレーします。
- 乾くと表面がグレーや白の単色になり、削り残した積層痕(凹凸)がはっきりと見えるようになります。
- 気になる場所があれば、#800 〜 #1000 のペーパーで軽く水研ぎして整えます。
ステップ4:本塗装(缶スプレー or アクリル塗料)
サーフェイサーが完全に乾いたら、お好みの色で塗装します。
- おすすめ塗料: プラモデル用のアクリルラッカースプレー(クレオス・タミヤなど)やDIY用塗料。
- 重ね塗りのコツ: 1回で色を出そうとせず、「薄く吹いて乾かす」を3回繰り返すと、垂れずに綺麗な艶が出ます。
- 最後の仕上げ: 仕上げにクリアスプレー(光沢 / つや消し)を吹き付けると、塗膜が保護され重厚感がアップします。
3. 【素材別】知っておきたい特殊仕上げテクニック
① ABS素材限定:「アセトン蒸気フュージング」
ABS樹脂は溶剤である「アセトン」に溶ける性質があります。
- 方法: 密閉容器の底にアセトンを染み込ませたペーパータオルを敷き、ABS作品を浮かせた状態で15〜30分放置します。
- 効果: アセトンの蒸気で表面がほんのり溶け、ヤスリがけ一切なしで陶器のようなツヤツヤの表面に化けます。
- 注意: アセトンは引火性・有毒性が高いため、換気の良い屋外で行い火気厳禁です。
② UVレジン(コーティング剤)を塗る時短テク
研磨の手間を省きたい場合、表面に高粘度のUVレジン(または3Dプリント専用コート剤「Smooth-ON XTC-3D」)を筆で塗り、UVライトで硬化させる方法があります。 一発で積層痕の溝がレジンで埋まり、ツルツルの表面が得られます。
4. まとめ
3Dプリント品の仕上げ手順まとめ:
- #240〜#400 の耐水ペーパーで「水研ぎ」
- パテで大きな凹みを埋める
- プラサフを吹いて微小な傷をチェック&#800で整える
- 缶スプレーで薄く重ね塗り+クリア仕上げ
少し手間はかかりますが、後処理を行った作品は「本当に3Dプリンターで作ったの!?」と驚かれるほどハイクオリティに仕上がります。ぜひお気に入りの作品で挑戦してみてください!
作業前に確認したいこと
温度・速度・寸法などの設定値は、機種、ノズル、フィラメント、使用環境で変わります。メーカーの取扱説明書とフィラメントの指定を優先し、変更は一度に一つずつ行って端材で確認してください。高温部・可動部・電装部に触れる作業は、必要に応じて電源を切り、十分に冷ましてから行います。
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