3Dプリンター用フィラメント比較|PLA・PETG・ABS・ASA・TPUの選び方
3Dプリンターを使う際に確認したい基本を、順を追って紹介します。
💡 この記事でわかること
- 主なフィラメント5種類の「強度」「耐熱性」「印刷難易度」の違い
- 用途に合わせた最適な素材の選び方
- 初心者が失敗しないための注意点
1. フィラメント5種の性能・特徴比較表
| 素材 | 印刷難易度 | 強度・耐衝撃 | 耐熱性 | 耐候性(屋外) | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|---|
| PLA | ★☆☆(超簡単) | 普通 | ✕(約50℃) | ✕(劣化する) | 試作、フィギュア、室内小物 |
| PETG | ★★☆(普通) | 高い | △(約70℃) | ◯(強い) | 実用品、水回りパーツ、ケース類 |
| ABS | ★★★(やや難) | 高い | ◯(約100℃) | △(黄変する) | 自動車パーツ、耐熱治具 |
| ASA | ★★★(やや難) | 高い | ◯(約100℃) | ◎(最強) | 屋外設置パーツ、庭・車外用品 |
| TPU | ★★★(コツ要) | 柔軟・ちぎれない | △(約80℃) | ◯(強い) | スマホケース、パッキン、タイヤ |
2. 素材別の特徴とおすすめ用途
① PLA(ポリ乳酸)
- メリット: 収縮がほとんどなく反りにくい。初心者でも失敗しない。匂いが少ない。
- デメリット: 夏場の車内や直射日光で簡単に変形する(熱に弱い)。
- こんな時に: まず試作したい時、飾るだけの小物、室内用ケース。
② PETG(ポリエチレンテレフタレート)
- メリット: PLA並みに印刷しやすく、耐熱性・粘り(強度)・耐水性に優れるバランス型。
- デメリット: 糸引き(ストリンギング)が起きやすい。
- こんな時に: 日常で使う実用品、キッチン・水回り用品、工具置き。
③ ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)
- メリット: 耐熱性・耐衝撃性が高く、ヤスリがけやアセトン蒸気による表面処理が容易。
- デメリット: 印刷時に強く反るためエンクロージャー(カバー)が必須。臭いがある。
- こんな時に: 車内パーツ、熱がかかる機構部品、後塗装したい模型。
④ ASA(アクリロニトリル・スチレン・アクリレート)
- メリット: ABSと同等の耐熱性・強度を持ちつつ、紫外線(UV)や雨に圧倒的に強い。
- デメリット: ABS同様に反りやすく、臭いがある。
- こんな時に: 表札、屋外用センサーカバー、バイク・車外パーツ。
⑤ TPU(熱可塑性ポリウレタン)
- メリット: ゴムのように柔らかく曲げられる。耐摩耗性が非常に高い。
- デメリット: ボーデン式(チューブ送給)だと詰まりやすい。低速印刷が必要。
- こんな時に: スマホケース、バンパーゴム、配線パッキン、ドローンパーツ。
3. 初心者が素材を選ぶときの黄金ルール
- 基本はPLA: 迷ったらまずはPLAで印刷する。
- 実用品ならPETG: 強度や耐熱性が必要なら、印刷が簡単なPETGにステップアップ。
- 屋外・耐熱ならASA/ABS: 設置場所に応じて密閉型プリンターでASA/ABSに挑戦。
作業前に確認したいこと
温度・速度・寸法などの設定値は、機種、ノズル、フィラメント、使用環境で変わります。メーカーの取扱説明書とフィラメントの指定を優先し、変更は一度に一つずつ行って端材で確認してください。高温部・可動部・電装部に触れる作業は、必要に応じて電源を切り、十分に冷ましてから行います。
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